今回は過炭酸ナトリウムについてお話します。
そもそも過炭酸ナトリウムとは、酸素系の漂白剤のこと。漂白除菌力を有しながら塩素系の漂白剤と比較しツンとした匂いがなく、比較的安全で、生地や素材を傷めずに掃除ができる洗剤として近年注目を集めています。
また、使用後は炭酸ソーダ・酸素・水に分解されるため、環境への負荷が少ない他、殺菌作用も失われるため家庭に浄化槽を設置している場合でも使用できます。
まさにナチュラルクリーニング!
過炭酸ナトリウムと重曹はどちらもアルカリ性であることが知られていますが、その2つを比較すると、一般的に過炭酸ナトリウムの方がより頑固な汚れに強いことで知られています。
そのため重曹と比較して以下のような点で効果を期待することができます。
|過炭酸ナトリウムの特徴
・皮脂などの油汚れ・血液などのたんぱく質汚れのどちらにも使える
・泡が発生するので洗浄力が強い
・殺菌漂白効果がある
特に注目したいのが、洗浄力の高さと殺菌漂白効果。そのため重曹で落ちないと諦めていた汚れや菌やカビが繁殖しやすい場所の掃除に適していると言えます。
その一方で過炭酸ナトリウムを使用する際には幾つかの注意点があります。
|過炭酸ナトリウムの注意点
・40℃程度のお湯で溶かしてから使う
・溶液にせず粉のまま保存し、使用時に必要な分だけを溶かして使う
・完全な密閉状態にして長期間放置するのは止める
・手の荒れやすい方はゴム手袋をしましょう
・目や口に入ったら、清潔な水で十分にすすぎましょう
過炭酸ナトリウムの効果を最大限発揮するためにはお湯を使用すること、そして粉のまま保存することが大切です。また水で色落ちするものや金属やシルク、ウールやカシミヤなどの素材には使えないので、使用する際にはよく確認することが大切です。
【洗濯】
過炭酸ナトリウムはこれだけでも洗濯に使用できます。過炭酸ナトリウムは油汚れを落とす効果以外に、水に溶けた際に出る活性酸素により汚れを分解する力があります。
■洗濯機で使う方法
基本的な洗濯方法は、まず50Lの水に対して大さじ3~4杯の過炭酸ナトリウムを加えます。その後、いつも通りに洗濯を行います。この際、お湯を使用したり、あらかじめつけ置きすると効果的に汚れを落とせます。そして、すすぎを一回行いますが、このときクエン酸を小さじ1~2杯水に溶かして入れると、洗濯物がふっくらと仕上がります。
■つけ置きする方法
つけ置きにより衣類を漂白したい場合は、40℃前後のお湯3Lを用意して、その中に大さじ2杯の過炭酸ナトリウムを入れて、混ぜ合わせます。そして、その中に衣類を1時間程つけこみます。このとき、お湯の温度をなるべく冷まさないように、蓋のできる容器を使用することで、より漂白効果に期待できます。つけ置きした後はしっかりすすいで完了です。注意点として、漂白する際は衣類の汚れを落としてから行いましょう。洗濯で落ちるような汚れが残っている場合、漂白効果が落ちることがあります。
【掃除】
過炭酸ナトリウムを使って、洗濯槽や浴室等の水回りにできたカビ・汚れを掃除することができます。
■洗濯機を掃除する方法
洗濯機を掃除する方法として、まずは40~50℃のお湯を用意します。そのお湯を洗濯機の高水位まで入れて、過炭酸ナトリウムを加えて混ぜ合わせます。加える過炭酸ナトリウムはお湯10Lに対して約100gです。過炭酸ナトリウムがよく溶けたことを確認して、そのまま1~2時間つけ置きします。そして、つけ置き終了後はしばらく攪拌させて脱水させます。さらに、汚れが取りきれていない場合は、すすぎと脱水を繰り返します。汚れが確認できなくなって終了です。
■浴室を掃除する方法
また、浴室に発生したカビも過炭酸ナトリウムで処理できます。用意するものは、ぬるま湯500mlと小さじ1杯の過炭酸ナトリウムです。これらを混ぜてよく溶かし、歯ブラシやハケ等を使ってカビの生えた箇所に塗ります。しばらく放置した後、水をかけながら優しくこすり落として終了です。あまり強くこすると素材自体(タイルやコーキング剤)を傷めてしまう恐れがあるため注意しましょう。さらに、消毒用エタノールや掃除用のエタノールスプレーを掃除した箇所に吹きかけておくと、カビの防止に繋がります。
■排水口を掃除する方法
最後は排水口の掃除です。用意するものは、細めのブラシ、50℃前後のお湯、過炭酸ナトリウム約30gです。まずはブラシを使ってパイプについた汚れをできるだけ落としておきます。その後、お湯を注いでパイプ内を温め、過炭酸ナトリウムを投入します。過炭酸ナトリウムによる泡を確認できれば、発泡により汚れを落としているため問題ありませんが、できない場合は200~400ml程のお湯を注いで上がってくる泡を確認しましょう。最後は、そのまま一晩放置して、お湯で洗い流せば終了です。
【キッチン】
過炭酸ナトリウムはキッチン周りでも活躍します。
例えば、食器についた茶渋やシミを落とすことが可能です。方法は2Lのお湯と過炭酸ナトリウム5gを用意し、それらを混ぜ合わせた中に食器を30分程つけ置きします。その後、水ですすぐと、気になる茶渋やシミを落とすことができ、これは食器の除菌にもなります。
また、布巾についたシミを落とすこともできます。まずは、過炭酸ナトリウム大さじ2杯、重奏大さじ2杯、水大さじ1~2杯、を混ぜ合わせてペーストを作ります。このペーストをシミが気になる箇所に塗りこんで、そのまま1~2時間放置し水で洗い流すとシミが取れます。
私も過酸化ナトリウムはまだ使ったことがないので、重曹ではとれなかった汚れなど、過酸化ナトリウムで再チャレンジしてみようかと思います!